犬がかかる病気もさまざまありますが、特にゴールデンレトリバーに多い病気というものがあります。
そして、病気のそれぞれの症状や特徴を理解しておくことで、飼い主さんの気づきや発見が早くなり、病気の早期発見・治療につながります。
ゴールデンレトリバーの飼い主さんは、愛犬の普段とは違う症状に早く気づいて、動物病院に診てもらって治してあげましょう。
この記事の目次
①アトピー性皮膚炎(ひふえん)
皮膚炎にはアトピー性とストレス性の2種類がありますが、特にゴールデンレトリバーはアトピー性皮膚炎を発症しやすい犬種です。
アトピー性皮膚炎は、体質的な部分が原因で発生していることが多いため、生後6か月ごろの子犬の時から4歳の成犬までの、比較的若い時に発症することが多いと言われています。
症状としては、目や口、耳の周り、お腹や足などの皮膚が赤くなったり、毛が抜けたり、激しくかゆがるのが特徴です。
このような症状がでているようなら、早くに動物病院を受診しましょう。
②膿皮症(のうひしょう)
膿皮症は、皮膚のバリア機能が低下し、皮膚の中で細菌が増えてしまうことで起こる、皮膚の炎症です。
膿皮症は抵抗力の低い、子犬や4歳未満の成犬、シニア犬や病気がちで免疫力が落ちている犬によくみられる病気です。
症状は、丘や黄色のぶつぶつができる丘疹(きゅうしん)や、赤または黒の円形脱毛が起こります。
アトピー性皮膚炎やストレス性皮膚炎との違いは、かゆみがほとんどないことです。
普段から愛犬の体をよく見てあげることが早期の発見につながり、体を清潔に保つことが一番の予防になります。
③外耳道炎(がいじどうえん)
耳の入り口あたりに炎症を外耳道炎と言います。
外耳道炎の原因は、カビの仲間であるマラセチア菌が原因で発症するマラセチア性外耳道炎が多くを占めます。
症状としては、耳をかゆがる、耳垢(みみあか)が多くなる、耳のにおいが強くなるというものがあります。
柴犬の場合は、アトピー性皮膚炎から外耳道炎を引き起こす場合もありますので注意が必要です。
普段から、飼い主さんが愛犬の耳の中をチェックして、このような症状が見られたら動物病院で診てもらいましょう。
④若年性蜂窩織炎(じゃくねんせいほうかしきえん)
1歳までの子犬のころに発症する皮膚病です。
症状は、突然目や口の周りに膿(うみ)がたまって、顔が腫れてしまうのが特徴です。
時折顔まわり以外にもできることがあります。
はっきりとした原因は分かっていませんが、免疫が関係しているのではいわれており、抵抗力がよくなってしまうと最近による感染で発症すると言われています。
上記のような症状が見られた場合は、早くに動物病院で診てもらいましょう。
⑤指間性皮膚炎(しかんせいひふえん)
指と指の間や、肉球の間に炎症が起こる病気です。
症状は指や肉球の間をずっとなめていることが多くなります。
原因は、散歩で汚れたり、異物が挟まったり刺さったりすることです。
予防策としては、散歩のあとは足の指や肉球の間を良く洗ってあげましょう。
また、指の間や肉球を良く舐めていて、その箇所が赤くなっていたら、すぐに動物病院で診てもらうようにしましょう。
⑥エーラス・ダンロス症候群
コラーゲンが不足して、肌に弾力がなくなってしまう病気です。
皮膚を引っ張ると異常に伸びるため、皮膚無力症とも呼ばれています。
重度の場合、コラーゲン不足により血管も破れやすくなってしまうことがあります。
エーラス・ダンロス症候群は、遺伝性で治る病気ではないため、皮膚への接触に気を付けるなど生活面でのフォローが必要になります。
診断と合わせて、生活面でのアドバイスも動物病院で聞いておきましょう。
⑦ニキビダニ(毛包虫、アカラス)症
ニキビダニはほとんどの健康な犬の毛穴に寄生しています。
普段は何もありませんが、抵抗力が弱まってきたときに脱毛を引き起こします。
かゆみはありませんが、脱毛している箇所が赤く腫れあがることがあるようです。
やはり動物病院で調べてもら、治療してもらうことが大切です。
⑧股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)
本来股関節のくぼみにおさまっているはずの大腿骨(だいたいこつ)の先端が、大腿骨の先端が変形している、骨盤のくぼみが浅すぎるなどの理由でうまくおさまっていないのが股関節形成不全です。
原因は遺伝性がおおもとと言われていますが、滑りやすいゆかで滑って転んだり、高いところから飛び降りたりといった生活環境、発育期での栄養不足や運動不足も症状を悪化させる原因になります。
愛犬がもし、歩くときに痛がっていたり、歩き方が普段と少し違うなどといった症状がある場合、早くに動物病院で診てもらいましょう。
⑨早期骨閉鎖(そうきこつへいさ)
遺伝による先天的な異常や大きなけがなどが原因で、骨の成長が早くに止まってしまい、骨に変形が起きるのが早期骨閉鎖です。
ほとんどの場合は前足に症状がみられるようです。
例えば、右足だけ骨の成長が止まってしまい、左足だけ成長を続け伸び続けると、まっすぐ立てない、足が曲がっている、脱臼しやすくなる、歩き方がおかしくなるといった様々な障害が出てきます。
治療としては、長いほうの骨を切る手術を行い足の長さをそろえるようにします。
重症化する前に早期に治療を行う必要がありますので、上記のような症状が見られた場合は、早くに動物病院を受診しましょう。
⑩リンパ腫
普段は体を守ってくれる免疫細胞であるリンパ球が、腫瘍化するのがリンパ腫です。
腫瘍は、シニア犬になるとリスクが高くなってくる病気ですが、ゴールデンレトリバーは若いころにもリンパ腫を発症することがあると言われています。
リンパ腫の場合、病気の進行が速いためとても怖い病気ですが、気づくには、体のリンパ節が腫れていないかチェックする、呼吸がいつもと違う、食欲がない、下痢、嘔吐をする、貧血気味、熱がある、皮膚炎が起こっているといった少しでも愛犬の様子がいつもと違う場合、早期に動物病院を受診しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
病気にはそれぞれ症状があります。
そして、飼い主さんが、普段の生活の中でどれだけ愛犬の体調をチェックできているかが、病気の症状に気づくカギとなります。
愛犬の体を守るためにも、愛犬とのコミュニケーションをたくさんとっておきましょうね。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。